これは一体なんだ?という驚き
コーヒーの世界って、本当に奥が深いですよね。スペシャルティコーヒーのブームが続く中で、生産処理(プロセス)の多様化はここ数年でめちゃくちゃ加速しています。ウォッシュド、ナチュラル、ハニー、アナエロビック……と、次々に新しい手法が生まれてきましたが、今回ご紹介するのはそのどれとも違う、炎を使ったまったく新しいプロセスのお話です。
イタリアのロースタリー「Officine Fratelli Bambi(オフィチーネ・フラテッリ・バンビ)」が開発した「フィアンマータ(Fiammata)技法」は、コーヒー業界に衝撃を与えています。その名前はイタリア語で「炎のひらめき」や「炎上」を意味する言葉。聞くだけでロマンがありますよね。火と酸素と時間——たったそれだけの要素が、コーヒーにまったく新しい表情を与えるというのです。
Officine Fratelli Bambiってどんなロースタリー?
まず、このテクニックを生み出したイタリアのロースタリーについて少し触れておきましょう。
Officine Fratelli Bambi は、イタリアに拠点を置くスペシャルティコーヒーの専門店で、コーヒーの生産・処理・焙煎に至るまで、一貫してクオリティと革新性を追求してきたことで知られています。「オフィチーネ(Officine)」はイタリア語で「工房」や「作業場」を意味し、その名の通り、職人気質なものづくりの精神がブランドの根底に流れています。
彼らは単においしいコーヒーを作るだけでなく、コーヒーそのものの可能性を広げることに情熱を注いでいるチームです。フィアンマータ技法は、そんな彼らの探求心がたどり着いた、まさに集大成のような試みといえるでしょう。
フィアンマータ技法とは何か
では、肝心の「フィアンマータ技法」とはどんなプロセスなのでしょうか。
その核心にあるのは、炎(火)・酸素・時間という三つの要素です。コーヒーの生豆、あるいは処理の特定の段階において、炎と酸素を意図的にコントロールすることで、豆の内部や表面に化学的・物理的な変化を引き起こします。これは単純に「焙煎」とは異なり、生豆の段階での処理に近いアプローチです。
視覚的にも非常にドラマチックで、実際にこのプロセスを収めた映像や写真を見ると、炎がコーヒーを包む様子は芸術作品のよう。「見て美しい」と「飲んでおいしい」を同時に実現しているのが、このテクニックの大きな特徴でもあります。
なぜ炎を使うのか
コーヒーの処理において炎や高温を使うこと自体は珍しくありませんが、フィアンマータ技法が革新的なのは、そのコントロールの精度と意図にあります。
酸素の量を調整することで、豆の酸化プロセスを管理し、特定のフレーバーや香りの成分を引き出したり、あるいは抑制したりすることができます。単なる熱処理ではなく、焙煎前のフレーバー設計とも呼べるほど精密なアプローチです。
仕上がるコーヒーの特徴
フィアンマータ技法で処理されたコーヒーは、通常のプロセスでは得られないような複雑な風味プロファイルを持つとされています。具体的には:
- 独特のスモーキーさと甘みの共存
- 炎によって引き出されたカラメルのような深い風味
- 酸素コントロールによる際立つアロマ
- 後味に残る長いフィニッシュ
これらの要素が重なり合い、まるで一杯のコーヒーで複数の体験をしているような感覚を与えてくれるといいます。
既存プロセスとフィアンマータの違いを整理してみよう
ここで、代表的なコーヒーの処理方法と、フィアンマータ技法を簡単に比較してみましょう。
| プロセス | 主な特徴 | 風味の傾向 |
|---|---|---|
| ウォッシュド | 果肉を取り除き水洗い | クリーン・明るい酸味 |
| ナチュラル | 果実ごと乾燥 | フルーティー・甘み強め |
| アナエロビック | 密閉タンクで嫌気発酵 | 発酵感・ユニークな複雑味 |
| フィアンマータ | 炎・酸素・時間でコントロール | スモーキー・深い甘み・複雑なアロマ |
こうして並べてみると、フィアンマータ技法がいかに異色な存在かわかりますよね。他のプロセスが「水」や「発酵」を主な手段としているのに対し、フィアンマータは「炎」という原始的でありながら、扱いが非常に難しい要素を中心に据えている点が際立っています。
コーヒー業界への影響と今後の展望
フィアンマータ技法がコーヒー業界全体に与えるインパクトは、決して小さくありません。
スペシャルティコーヒーの世界では、ここ数年「プロセスの革新」がトレンドのひとつになっています。消費者もただ「おいしい」だけでなく、「ストーリーのあるコーヒー」「体験としてのコーヒー」を求めるようになってきています。フィアンマータ技法は、まさにそのニーズを満たす可能性を持っています。
視覚的にも映えるそのプロセスはSNSとの相性も抜群で、コーヒーを飲むだけでなく「その背景を知りたい」「生産の現場を見たい」というコーヒーファンの興味を惹きつけること間違いなし。また、同様のアプローチを試みる他のロースタリーや農園が出てくれば、新たなカテゴリとしてフィアンマータが確立される日も近いかもしれません。
日本のコーヒーシーンへの波及は?
日本のスペシャルティコーヒー市場は、世界的に見ても非常に感度が高く、新しいプロセスやトレンドをいち早くキャッチする力があります。アナエロビックやカーボニック・マセレーションが日本でも広く認知されてきたように、フィアンマータ技法もいつか日本のカフェで楽しめる日が来るかもしれません。
あなたが通っているカフェのメニューに「フィアンマータ」の文字が並ぶ日を、ちょっとワクワクしながら待ってみませんか?
まとめ
炎・酸素・時間——これほどシンプルな要素の組み合わせから、これほど複雑で美しいコーヒーが生まれるということに、コーヒーという飲み物の底知れない可能性を感じます。
のフィアンマータ技法は、単なる「新しい処理方法」にとどまらず、コーヒーをアートとして、体験として捉え直す試みとも言えます。「次の一杯は、どんなストーリーを持っているのだろう?」——そんなふうにコーヒーを選ぶのも、また楽しいですよね。
スペシャルティコーヒーの世界は、まだまだ進化の途中。これからも目が離せません。
参考
— TARS


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