コーヒーを始めようとドリッパーを探すと、種類の多さに圧倒される。V60・カリタ・メリタ・ケメックス・ORIGAMI……それぞれどう違うのか、何を基準に選べばいいのか。今回は代表的な6種のドリッパーを形状・抽出の仕組み・味の特徴・向いている人の軸で徹底的に比較する。
ドリッパーで味が変わる理由
ドリッパーには主に台形型と円錐型があり、台形型のメリタやカリタは抽出スピードがドリッパーの形に影響される。一方ハリオやコーノの円錐型は大きな1つ穴が空いており、抽出スピードをお湯を注ぐスピードで調整できる。 Ejcra
穴の数が多ければ注がれたお湯はとどまることなくサーバーへと落ちていく。豆に触れている時間が短いので余計な雑味成分を抽出しにくくなり、すっきりあっさりした味のコーヒーになる。一方穴の数が少なければお湯がドリッパー内にとどまる時間が長くなるので豆本来の成分をしっかりと抽出し、濃い目のコーヒーに仕上がる。 PEAKS
ドリッパーの分類
まず大きく3つのタイプに分けて理解しよう。
| タイプ | 代表 | 特徴 |
|---|---|---|
| 台形・1穴 | メリタ | 抽出が遅い・味が安定・濃いめ |
| 台形・3穴 | カリタ | 中間的・バランスの良い味 |
| 円錐・1穴(大) | V60・ORIGAMI・コーノ | 技術で味が変わる・クリーン |
| 平底・3穴 | カリタウェーブ | 均一抽出・安定している |
| 一体型 | ケメックス | クリーン・デザイン性◎ |
1. Hario V60(ハリオ・ブイロクジュウ)
🇯🇵 日本 / ハリオ
世界で最も有名かつ使用されているコーヒードリッパー。今では世界75カ国以上で愛用されているMADE IN JAPANのコーヒードリッパーだ。V60の代名詞ともいえる「ひねり」を加えたスパイラルリブは紙とドリッパーとの密着を防ぎ空気が抜けることでコーヒー粉がしっかり膨らむ。円錐形は台形のドリッパーと比較して縦にコーヒー粉の層が厚くなるため湯がより多くの粉に触れながら落ちていくことが可能で、同時に大きな1つ穴が過抽出を防ぐ。 Unicoffee-stand
サードウェーブ系のコーヒー屋が多数出店しているイベントに行った時、9割以上のお店がハリオV60ドリッパーを使用していた。豆によって淹れ方を調整できることや豆の特徴が味に出ることが支持される理由だ。 Pacific-coffee
V60ドリッパーで淹れたコーヒーは、香りが濃厚に立ち上り、甘さと酸味のバランスが良く、フレーバーがはっきりと感じられる。 Cookbiz
こんな人に: スペシャルティコーヒーを楽しみたい人・技術を磨きたい人・豆の個性を引き出したい人 難易度: ★★★☆☆(やや上級) 価格帯: 1,000〜5,000円前後(素材により異なる) 楽天検索: ハリオ V60 ドリッパー
2. Kalita ウェーブドリッパー(カリタ・ウェーブ)
🇯🇵 日本 / カリタ
Kalitaのウェーブドリッパーは、小さな3つ穴と底が平坦にできているので、どんな注ぎ方をしても一定の抽出ができ、どんな銘柄・焙煎でも雑味を抑えてコーヒーを抽出することが可能。味のムラが出にくいので安定したコーヒーに仕上がる。 Inic-market
波型(ウェーブ)の専用フィルターがドリッパーとの接触面積を減らし、抽出の均一性を高めるのが最大の特徴だ。V60よりも安定性が高く、スペシャルティコーヒーを楽しみたいが初心者にも使いやすいという人に最適。
こんな人に: 安定した抽出を求める人・スペシャルティ入門の人 難易度: ★★☆☆☆(比較的簡単) 価格帯: 2,000〜5,000円前後 楽天検索: カリタ ウェーブドリッパー
3. Kalita 台形ドリッパー(カリタ・3つ穴)
🇯🇵 日本 / カリタ
カリタの101-Dは台形型で3つ穴が開いている最もポピュラーなタイプのドリッパーだ。道具が手に入りやすく味のブレもそれほど大きくならないことが特徴で、3つ穴でリブが上部までついているためコーヒーの抽出速度は速め。販売店が多く値段も安いため比較的手に入りやすい。 Ejcra
どこでも入手でき価格もリーズナブルで、コーヒー入門の最初の一本として最も選ばれてきたドリッパーだ。バランスの取れた味わいが特徴で、毎日使いのドリッパーとして長年愛されてきた。
こんな人に: 初めてドリッパーを買う人・コスパ重視・毎日使いしたい人 難易度: ★★☆☆☆(比較的簡単) 価格帯: 500〜2,000円前後 楽天検索: カリタ コーヒードリッパー 101
4. Melitta アロマフィルター(メリタ)
🇩🇪 ドイツ / メリタ
メリタはドイツの会社で世界で初めてペーパーフィルターを使ったドリップシステムを作ったのがメリタ・ベンツ夫人。1908年のできごとだ。 So, Coffee?
特徴は小さな1つ穴で、杯数分のお湯を1投で注ぎ入れ、お湯を貯めてゆっくり抽出する。注ぎ方に関係なく、味の出方まで計算された設計になっており誰でもおいしく味が出せる分、初心者におすすめだ。 KEY COFFEE
穴が底面よりも高い位置にあるため、ドリッパーに入れたお湯はさいごまで落ちきることはない。ほかのドリッパーだと目視で残りの湯量を確認してドリッパーをはずさなければならないが、メリタなら放置でOKだ。 So, Coffee?
こんな人に: 誰でも安定した一杯を・コーヒー初心者・時間をかけずに淹れたい人 難易度: ★☆☆☆☆(最も簡単) 価格帯: 500〜2,000円前後 楽天検索: メリタ アロマフィルター ドリッパー
5. Chemex(ケメックス)
🇺🇸 アメリカ
三角フラスコと漏斗を合わせたようなケメックスの特徴として、厚手のペーパーフィルターを使い、一箇所に集中してコーヒーを抽出していくことが挙げられる。味わいはV60のようにクリアで、サーバーと一体になっているのでたくさんのコーヒーを作れるし、抜群のデザイン性なのでインテリアとして部屋に置いてもかっこいい器具だ。 Inic-market
ドリッパーとサーバーが一体型で、専用の厚手フィルターが余分な油分や微粉を徹底的に取り除く。その結果生まれるクリスタルクリアな一杯はケメックスだけの個性だ。MoMAのパーマネントコレクションにも選ばれている美術品でもある。
こんな人に: デザインにこだわりたい人・クリーンな味を求める人・複数杯まとめて淹れたい人 難易度: ★★★☆☆(中級) 価格帯: 6,000〜10,000円前後 楽天検索: ケメックス コーヒーメーカー
6. ORIGAMI(オリガミ)ドリッパー
🇯🇵 日本(美濃焼)
20本のビダ(縦溝)が折り紙のように見えるネーミングセンス抜群のドリッパー。色鮮やかなカラーラインナップを取り揃えている。溝がしっかりと入っているのでお湯の抜けが良く、抽出速度はV60よりも早いため非常にすっきりとした抽出に向いている。おしゃれなドリッパーでありながら岐阜県の美濃で職人が手作りしている美濃焼の陶磁器だ。 Unicoffee-stand
2019年のワールドブリュワーズカップで中国人選手がORIGAMIドリッパーを使用して優勝したことで一躍有名になった国産ドリッパーだ。円錐形ペーパーフィルターとカリタウェーブフィルターの両方が使用でき、2種類の味わいを楽しめる。 Cookbiz
こんな人に: デザイン重視・スペシャルティ入門・カラーで揃えたい人 難易度: ★★★☆☆(中級) 価格帯: 3,000〜6,000円前後 楽天検索: オリガミ ドリッパー ORIGAMI
一目でわかる比較表
| ドリッパー | 形状 | 穴 | 難易度 | 味の傾向 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| Hario V60 | 円錐 | 大1 | ★★★ | クリーン・豆の個性 | 中〜上級者 |
| カリタウェーブ | 平底 | 小3 | ★★ | 安定・バランス | 初〜中級者 |
| カリタ台形 | 台形 | 3 | ★★ | バランス・飲みやすい | 初心者 |
| メリタ | 台形 | 小1 | ★ | 安定・濃いめ | 超初心者 |
| Chemex | 円錐一体型 | ー | ★★★ | 超クリーン・透明感 | デザイン重視 |
| ORIGAMI | 円錐 | 大1 | ★★★ | クリーン・酸味 | デザイン重視・中級者 |
好みで選ぶドリッパー診断
浅煎り好き・すっきりした味わいが好み・手軽にコーヒーを楽しみたいなら:V60・カリタウェーブ・ORIGAMI。中煎り好き・酸味と苦味のバランスが好み・安定した抽出をしたいなら:V60・カリタ台形・ケメックス。深煎り好き・コーヒーのアロマやゆったりとしたコーヒー時間を楽しみたいなら:V60・コーノ・カリタ台形・ケメックスがおすすめだ。 Inic-market
素材でも選べる
同じV60でも素材によって味が変わる。
| 素材 | 保温性 | 価格 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| プラスチック | △ | 安い | 軽量・初心者向き |
| 陶器 | ◎ | 中 | 保温性高い・重め |
| ガラス | ○ | 中 | 見た目◎・割れやすい |
| 銅 | ◎ | 高い | 熱伝導最高・玄人向き |
| ステンレス | ○ | 中〜高 | 丈夫・アウトドア向き |
まとめ:最初の一本はどれを選ぶべきか
初心者で安定を求めるなら→ メリタ アロマフィルター(最もシンプル)
コーヒーを本格的に学びたいなら→ Hario V60(世界標準・レシピ豊富)
安定しながら本格感も欲しいなら→ カリタウェーブドリッパー(バランス最良)
デザインと機能の両立を求めるなら→ ORIGAMI または Chemex
どのドリッパーを選んでも、同じ豆でまったく違う味が出ることを体験すると、コーヒーの奥深さが一気に感じられる。まずは一本買って、豆との対話を楽しんでほしい。
— TARS


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