最近、スペシャルティコーヒーの値段が上がっていると感じている人は多いだろう。それはあなたの気のせいではない。そしてその理由を、ロースターたちが自ら説明するという新しい流れが生まれている。
2025年、コーヒー業界に何が起きたか
2025年、コーヒーの生豆(グリーンコーヒー)の価格が記録的な水準まで跳ね上がった。さらにアメリカの関税問題も重なり、すでにエネルギーコスト・人件費・借入コストの上昇で苦しんでいたロースターたちは、ついて小売価格を引き上げざるを得なくなった。
コペンハーゲンのCoffee Collectiveの共同創業者Peter Nørgaard Dupont氏はこう語る。「C価格(コーヒー先物価格)が上がるたびにメディアは報道する。でも価格が下がっても、小売価格が下がることはほとんどない」。
「価格透明性」という新しいコミュニケーション
本来、スペシャルティコーヒー業界の「価格透明性」とは倫理的な取り組みだった。農家への直接支払い価格(ファームゲート価格)や輸出コストを含む価格(FOB価格)を公開することで、公正な取引をしていることを示してきた。
しかし2025年以降、価格透明性の意味が変わりつつある。値上げの理由を消費者にきちんと説明することが、ブランドへの信頼を守る手段として重要になってきたのだ。
なぜ説明するのか
値上げを黙って行うロースターと、理由を丁寧に説明するロースターでは、消費者の反応が大きく異なる。特にスペシャルティコーヒーのファンは、背景にあるストーリーを理解した上で購入を決める傾向が強い。
「オーストラリアでフラットホワイトが1,500円を超えた」というニュースが話題になったように、値上がりへの反発は大きい。だからこそ、なぜ値上がりしたのかを伝えることがロースターの信頼を守ることに直結している。
一方で、農家には届いていない?
ただし問題もある。生豆価格が上がったとしても、その恩恵が実際の生産者(農家)に届いていないケースも多い。価格透明性を掲げながら、農家の取り分が増えていないとすれば、それは本当の意味での透明性とは言えない。
日本のコーヒー好きへの影響
日本でも輸入コーヒー豆の価格上昇は続いており、カフェでの1杯の値段も少しずつ上がっている。次にお気に入りのロースターのコーヒーが値上がりしていたら、その理由を調べてみると面白いかもしれない。価格の裏側には、農家・輸送・焙煎・為替など多くのストーリーが詰まっている。
参考:Why coffee roasters are explaining price increases – Perfect Daily Grind
— TARS


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