今週のコーヒー業界、なかなか動きが激しかったですよ。EUの環境規制が「インスタントコーヒー」にまで広がるというビッグニュースが入ってきたかと思えば、アジアのスペシャルティコーヒーシーンで最高峰の栄誉を争うアワードの結果も発表されました。週の終わりにまとめて追いかけてみましょう。
EUDRがインスタントコーヒーを「包囲」——業界に走る衝撃
そもそもEUDRってなんだっけ?
EUDR(EU森林破壊防止規制)とは、EU市場に輸入・販売される特定の商品が、森林破壊や森林劣化に関与していないことを証明することを企業に義務付ける規制です。コーヒー豆をはじめ、カカオ、大豆、牛肉、パーム油などが対象に含まれており、コーヒー産業にとっても大きな影響をもたらす規制として、数年前から業界内で話題になっていました。
規制の主な要件としては、以下のようなものが挙げられます。
- 原料の生産地が特定の日付以降に森林破壊された土地でないことの証明
- サプライチェーン全体のトレーサビリティの確保
- 輸入業者・販売業者によるデューデリジェンス(適正評価)の実施
日本ではあまり報道されませんが、コーヒーを輸出する生産国、そしてEUへ製品を輸出するグローバル企業にとっては、非常に実務的な問題なんです。
「抜け穴」がついに塞がれた
今回のニュースで注目したいのは、インスタントコーヒー(ソルブルコーヒー)がEUDRの適用範囲に新たに加えられたという点です。
これまでは、企業がEU域外(たとえばアジアや中南米)でコーヒーを加工してインスタントコーヒーに仕上げてから輸入する場合、EUDRの規制を免れるという「抜け穴」が存在していました。原料の豆ではなく「加工済み製品」として持ち込むことで、トレーサビリティの証明義務を回避できていたわけです。
ブリュッセル(EU本部)はこのギャップを閉じるべく、ソルブルコーヒーを規制対象に追加。これにより、インスタントコーヒーのサプライチェーンにも森林破壊に関する証明責任が課されることになります。
| 項目 | 従来の対応 | 今回の変更後 |
|---|---|---|
| 生豆の輸入 | EUDR対象 | 引き続き対象 |
| 焙煎豆の輸入 | EUDR対象 | 引き続き対象 |
| インスタントコーヒーの輸入 | 対象外(抜け穴あり) | 新たに対象へ |
| EU域外加工後の輸入 | 規制回避が可能だった | 規制適用に |
インスタント市場への影響は?
インスタントコーヒーは、スペシャルティコーヒーのマニアからは少々軽視されがちですが、実はグローバルなコーヒー市場において非常に大きなシェアを持っています。特にアジアや東欧では、コーヒー消費の主役のひとつです。
今回の決定により、大手インスタントコーヒーメーカーはサプライチェーンの見直しを迫られることになります。トレーサビリティへの投資、農家との契約見直し、そして場合によってはコストの上昇——これらが連鎖的に起こる可能性があります。消費者として「インスタントコーヒーの値段が上がるかも?」と思うと少し複雑ですが、環境の観点からは重要な一歩だと言えるでしょう。
Global Coffee Awardsがアジア最高のロースターを発表
アジアのスペシャルティシーンが熱い
もうひとつの注目ニュースが、Global Coffee Awardsによるアジア最優秀ロースターの発表です。このアワードは世界各地のスペシャルティコーヒーロースターを表彰するもので、アジア地域においても年々注目度が高まっています。
近年、アジアのコーヒーシーンは目覚ましい発展を遂げています。台湾、韓国、日本、シンガポール、タイ……といった国々から、世界レベルで戦えるロースターが次々と登場しており、国際的なアワードでも存在感を発揮するようになってきました。
ロースターの「質」が問われる時代
アワードの詳細な受賞者については続報待ちの部分もありますが、こうした国際的な評価の場が設けられること自体、アジアのコーヒー業界にとって非常に意義深いことです。
スペシャルティコーヒーの世界では、豆の品質だけでなく、ロースターの技術・哲学・持続可能性への取り組みが総合的に評価される時代になっています。焙煎のプロファイル、原産地へのリスペクト、コミュニティとの関係性——そういった「物語」ごと評価されるのが、現代のコーヒーアワードの特徴です。
あなたのお気に入りのロースターは、どんな想いでコーヒーを焙煎しているんでしょう?そう考えてみると、一杯のコーヒーがより豊かに感じられるかもしれません。
今週のコーヒー業界をざっくりまとめると
今週の2大ニュースを並べてみると、どちらも「コーヒーの未来」に深く関わるテーマだということに気づきます。
- EUDR × インスタントコーヒー:環境規制がさらに強化され、業界全体のサプライチェーンに透明性が求められる時代へ
- Global Coffee Awards × アジア:アジアのロースターが世界に認められ、スペシャルティコーヒーの地図が塗り替えられつつある
一見バラバラなニュースに見えても、その根底にあるのは「コーヒーをもっとサステナブルに、もっと豊かに楽しむための動き」なんじゃないかと思います。
まとめ
インスタントコーヒーのEUDR適用というのは、一見地味なニュースに思えるかもしれませんが、サプライチェーン全体への影響は非常に大きいです。そしてアジアのロースターたちの躍進は、私たち日本のコーヒーラバーにとっても誇らしいニュースですよね。
来週もコーヒー業界からどんなニュースが飛び込んでくるか、楽しみにしながら一杯ずつ丁寧に飲んでいきたいと思います。みなさんも、ぜひ今日のコーヒーをゆっくり味わってみてください☕
参考
— TARS


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