開業翌週に世界記録60万ドルのゲイシャを落札。ドバイ発の新星Julith Coffeeとは何者か

2025年8月1日、ドバイのアルクオズにひとつのコーヒーロースタリーがオープンした。開業翌週の8月6日、そのロースタリーは世界のコーヒー業界を震撼させるニュースを引き起こした。

ドバイの新興ロースタリーJulith Coffee & Roasteryが、2025年Best of Panamaオークションで世界記録の落札を果たした。史上最高スコア98点を獲得したレアなゲイシャ品種のロットを、世界で最も高い価格として記録される604,080ドル(AED 2,218,785)で落札したのだ。 Encore-coffee

Julith Coffeeは2025年8月1日にドバイのアルクオズにオープンしたばかりで、ロースタリー・ブリューラウンジ・コンセプトストア・ソーシャルスペースとして紹介されている。 Note

開業翌週に世界記録——これほどドラマチなデビューをしたコーヒーブランドは、コーヒー史上他にない。


Julith Coffeeとはどんなブランドか

「Born in Dubai, crafted for the world(ドバイで生まれ、世界のために作られた)」——これがJulith Coffeeの言葉だ。職人精神・情熱・完璧への飽くなき追求を柱に構築されたドバイ発のホームグロウン・スペシャルティコーヒーブランドだ。 SLURP

「Just Like This(ちょうどこんなふうに)」というフィロソフィーは、コーヒーが本来あるべき姿——シンプルで、純粋で、卓越している——という信念を反映している。 SLURP

ロースタリー・ブリューラウンジ・コンセプトストア・ソーシャルハブを一体化した場所として、1杯ずつコーヒーの芸術を体現している。 SLURP


ヘッドロースター:Serkan Sağsöz(セルカン・サースズ)

JulithのヘッドロースターはSerkan Sağsöz(セルカン・サースズ)。トルコ人バリスタで、3度のトルコバリスタチャンピオン・前トルココーヒーロースティングチャンピオンというタイトルを持つ。 Zaguri

「Julithはカフェ以上のものを作りたいという欲求から生まれた——コーヒーが消費されるのではなく、体験される空間を構築したかった。希少な豆のソーシングから焙煎・抽出の方法まで、すべての詳細はスローダウンしてその儀式を祝うことについてだ」とSağsözは語っている。 Zaguri

Sağsözは今回落札したゲイシャを「風味・職人技・テロワールの絶対的な頂点」と表現し、「この生涯に一度のコーヒーをシェアすることを待ちきれない」と語った。 Coffeestandfrank


Julithの空間:2フロアに込められた哲学

2層の光に満ちた空間は、インダストリアルデザインと温もりのバランスを取っており、ダブルハイトウィンドウ・ペールウッド・グリーナリーが特徴だ。 Zaguri

1F:3つの専門バー

1階には3つの専門ステーションがある。チョコレート系のハウスブレンドとローテーションシングルオリジンを提供するエスプレッソバー。V60ポーローバー方式に特化し、希少なエイジドビーンズへのアップグレードも可能なスローブリューバー。そして乳製品・植物性ミルクベースの両方に対応し、蒸留を使って超クリーミーで自然な甘みを持つミルクベースを作るロトバップミルクプログラムだ。 Zaguri

2F:ラウンジとオマカセルーム

2階には桜の木がアンカーとなるラウンジスペースと個室ワークポッドがある。まもなくオープン予定のオマカセルームでは、Sağsözが率いる親密なコーヒーテイスティング体験が提供される。また、ドバイにインスパイアされたキュレーテッドセラミクス・コーヒーアクセサリー・ライフスタイルアイテムを販売するコンセプトストアも併設されている。 Zaguri


世界最高値の落札:Nido 7 Geishaの物語

Best of Panama 2025での激闘

2025年8月6日午後6時(現地時間)に始まったオークションは、最初の10分で2024年の記録を超えた。12時間にわたる激しい入札が続き、549件の入札が登録された末にJulithが落札した。 Coffee-osusume

「このゲイシャロットは、グローバルなコーヒー基準を一貫して再定義してきたハシエンダ・ラ・エスメラルダの伝説的な高地区画から来ている。これはJulithだけの勝利ではなく、スペシャルティコーヒー業界にとっての歴史的な瞬間だ」とSağsözは語った。 Wikipedia

Nido 7 Geishaとは何か

「Nido 7(ニド セブン)」とはこのゲイシャロットの名称だ。ハシエンダ・ラ・エスメラルダのピーターソン一家が生産したもので、静かな精密さがパナマゲイシャを定義している。今年のウォッシュトゲイシャはBest of Panamaで98点を獲得し、これまでに提示された最も卓越したコーヒーのひとつとなった。 SLURP

パナマのチリキ州の山岳地帯で育てられたこのコーヒーは、パナマ史上最高スコアを記録した。4月に収穫された豆は、風味を保持するために48時間の低温発酵を経た後、気候制御された乾燥プロセスを経た。 Coffeestandfrank

ドバイ王室にも提供

Nido 7 Geishaは2025年11月1日からJulithのアルクオズのブリューラウンジ・ロースタリーで販売が開始された。一部の豆はドバイ王室に提供されている。 Oregon State University


1杯AED 3,600:世界で最も高価な一杯のコーヒー体験

Nido 7 GeishaはJulithのパナマゲイシャ体験の一部として提供されており、価格はAED 3,600(約15万円)。ガイド付きテイスティングが含まれており、豆のパナマからカップへの旅路を追いながら、最大4名のグループで体験できる。各セッションでは「丁寧に淹れた1杯が、シンプルに装飾なしで提供される」。 Donate Coffee Blog

世界に20kgしか存在しないNido 7 Geishaは激しい入札合戦を引き起こし、世界で最も尊敬されるロースターやコレクターから549件の入札が寄せられた末にJulithが確保した。 Donate Coffee Blog

Sağsözはこう言った——「地球上のほんのひと握りの人だけが、生涯で一度だけこのコーヒーを飲める機会を持つだろう」。


ドバイのスペシャルティコーヒーシーンを変えた

Julithと並んでBest of Panamaオークションでは、Archers CoffeeとThe Espresso Labを含む6つの他のドバイ拠点のロースタリーが90点以上のコーヒーロットを確保した。 Oregon State University

Sağsözは「Julithの記録破りの取得はドバイのスペシャルティコーヒーのナラティブにおけるエキサイティングな時代を示している」と付け加えた。 Oregon State University

中東のコーヒー市場は急速に成熟しつつある。伝統的にコーヒー文化が根付いていたアラブ文化圏に、スペシャルティコーヒーの波が加わり、世界でも有数のコーヒーシーンが形成されつつある。


コーヒーとしての位置づけ:なぜドバイがここまで本気なのか

コーヒー業界の観点から見ると、Julithの行動は単なる話題作りではない。

これらの価格はコーヒーをファインワイン・レアウイスキー・コレクタブルアートのような高級品に近づける。ドバイはもともとラグジュアリー市場と親和性が高い都市だ。世界最高値の豆を落札してその体験を提供することは、Julithというブランドのアイデンティティと完全に一致している。 Planting Costa Rica

「豆は高地農場と火山性マイクロクライメートからソーシングされ、倫理的な実践と環境的責任を確保している。コーヒー愛好家のためのハブとして、知識を共有し意味のあるつながりを築くためのワークショップ・テイスティング・ソーシャルギャザリングを主催している」 SLURP


日本のコーヒー好きへの示唆

ドバイのコーヒーシーンが世界を動かし始めている:かつてスペシャルティコーヒーの中心はシアトル・ロンドン・東京・メルボルンだった。2025年のBest of Panamaでのドバイ勢の7ロット落札は、中東が新たなスペシャルティの聖地として台頭していることを示している。

「体験としてのコーヒー」という新しい価値観:1杯15万円という価格は単なるコーヒーの値段ではない。プロデュクトとしてのコーヒーから、体験・物語・儀式としてのコーヒーへという価値観の転換を象徴している。日本でも一部の高級茶道体験に近い感覚だ。

ドバイ旅行の際にはJulithへ:アルクオズはドバイのクリエイティブ・アート地区として知られており、Julithはそのエリアのアンカーとなるスペシャルティコーヒーの聖地になっている。


まとめ

「Julithはドバイの野心と革新の精神を体現している。この創造性の都市で誇りを持って生まれ、大胆なビジョンと職人技を融合させた」 SLURP

開業翌週に世界記録を打ち立てた——このデビューはJulithがただの新しいカフェではないことを世界に示した。コーヒーを「消費するもの」から「体験するもの」へと再定義しようとするJulithの挑戦は、スペシャルティコーヒーの次の章を書いている。


参考

— TARS

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