1970年代、コートジボワールはブラジル・コロンビアに次ぐ世界第3位のコーヒー生産国だった。かつてはコロンビアとブラジルに次ぐ世界第3位のコーヒー豆生産国だった。ロブスタという特定の豆の最大生産国として、1980年代まで世界をリードしていた。 Hotel&Catering
しかし2度の内戦・政治的不安定・農業への投資不足が重なり、その栄光は過去のものとなった。2000年に38万トンだった生産量は現在約10万トンにまで落ち込んでいる。
それでも今、コートジボワールは動き始めている。政府は年間生産量を4倍にする目標を掲げ、スペシャルティコーヒー企業が精製施設への投資を始めた。世界的なアラビカ価格の高騰でファインロブスタへの需要が急増するなか、この国の「再起」は現実的な選択肢になってきた。

世界ロブスタ生産の6カ国で95%を占める
現在、ベトナム・ブラジル・インドネシア・ウガンダ・インド・コートジボワールという6カ国が世界のロブスタの95%を生産している。 Caterer Middle East
コートジボワールはこの「ロブスタ世界6大生産国」のひとつだ。生産量は2024年に65万袋(60kg換算)の輸出を記録し、世界トップ20の生産国として位置づけられている。
コートジボワールのコーヒーはほぼ100%ロブスタで、南西部・中部・西部の低地・丘陵地帯で栽培される。ナッツとチョコレートのフレーバーで知られるコートジボワールのコーヒーは主に西部と南部で栽培されている。 Facebook
独自品種「アラブスタ」:消えゆく実験の遺産
コートジボワールにはもうひとつ、世界でも珍しい独自品種の物語がある。
アラブスタは1960年代に独立後初代大統領フェリックス・ウフェ=ボワニの要請を受けて国内で開発・栽培された。目標はロブスタより甘くマイルドな味わいを持ちながら、国土の大半を占める平坦な地形での栽培に適したコーヒーを開発することだった。しかしアラブスタの栽培は実際には普及しなかった。全体的な寿命は長いが、アラブスタの植物は成長に時間がかかり収量も低い。2018年までにコートジボワールの国立農学研究センターはこの品種に割り当てられた土地をほぼ放棄し、西部地域の一握りの小規模生産者が栽培を続けているだけで、生産量は2018年にはわずか2トンにまで落ち込んだとされている。 Expert Market Research
アラビカとロブスタを交配させたこの独自品種は、理想と現実のギャップを示す貴重な事例として記録されている。
2度の内戦が与えた壊滅的打撃
生産量のピークは2000年の38万トンだった。その後10年以上にわたる国内の混乱、特に第一次コートジボワール内戦(2002〜2007年)と第二次内戦(2010〜2011年)により生産量は著しく低下した。 The National
内戦は農場への投資を止め、農家を農村から追い出し、輸出インフラを破壊した。コーヒーの木は剪定・管理されないまま老木化し、品質・収量ともに大幅に低下した。
政治的安定が戻った2012年以降、経済は年平均7%の成長を続けているが、コーヒー産業の回復は遅れていた。
ファインロブスタ:復活の切り札
2026年現在、コートジボワールのコーヒー産業に新しい風が吹き始めている。
今日、世界的にファインロブスタへの関心が高まっており、アラビカ価格が比較的高止まりしている中でロブスタが注目を集めている。アラビカの2倍のカフェインを持ち、よりアーシーでボールドなフレーバープロファイルを持ち、病害虫への耐性も高いロブスタは、生産者とロースターの両方から投資を集めている。2024年にはヨーロッパだけで6万トンのグリーンロブスタを輸入した。 Daymark Coffee Guide
この流れに乗る形で、Café Continentという企業が行動を起こした。Café Continentは最近、西部高地の標高800メートルに精製施設を開設した。現在はナチュラル精製を使用している。ハニーとウォッシュト方法は計画中で、2027年までに初期成果を出すことを目指している。 Roastful
アビジャンのスペシャルティカフェ文化の芽吹き
産地としての転換と並行して、消費地としても変化が起きている。
経済成長が購買力を高めるにつれ、アビジャンではスペシャルティコーヒーへの関心が高まっている。これはコートジボワールのコーヒーセクターにより多くの価値を留める機会を提示している。 Daymark Coffee Guide
かつてコーヒーを全量輸出し国内消費がほぼゼロだったコートジボワールで、都市部の若い世代がスペシャルティコーヒーを体験し始めている。国産コーヒーへの誇りと需要が国内に生まれることは、農家へのインセンティブにもなる。
コートジボワールのコーヒーが向いている使い方
ロブスタ100%というポジションは、スペシャルティコーヒー文脈では不利に見えるかもしれない。しかし高品質なロブスタには明確な市場がある。
エスプレッソブレンドのベース・インスタントコーヒーの素材・カフェインが高い機能性飲料向け素材——これらの用途でコートジボワールのロブスタは世界から需要がある。そしてファインロブスタへの転換が進めば、シングルオリジンとして評価される可能性も出てくる。
日本のコーヒー好きへの示唆
ファインロブスタという新しい潮流に注目してほしい:スペシャルティコーヒーの世界でも高品質なロブスタへの評価が高まっている。コートジボワールのファインロブスタが日本市場に登場するのは2027年以降になりそうだが、今から注目しておく価値がある。
エスプレッソブレンドの中に潜んでいる可能性:飲んでいるエスプレッソブレンドにロブスタが含まれている場合、その豆がコートジボワール産である可能性は決して低くない。世界のロブスタの大きなシェアをこの国が担っている。
復活の物語を応援する意味:2度の内戦から立ち上がり、品質転換を目指すコートジボワールのコーヒー農家を支援する意味で、産地を意識した購買も選択肢のひとつだ。
まとめ
かつて世界第3位のコーヒー大国だったコートジボワールが、内戦による崩壊を経て、ファインロブスタという新しい武器で復活を目指している。2度の内戦・政治的混乱・農業への投資不足——それでもこの国のコーヒー農家たちは生産を続けてきた。
アラビカ価格高騰という世界的な追い風と、政府の4倍増目標・民間企業の精製施設投資が重なる今、コートジボワールのコーヒーが再び世界の注目を集める日は近いかもしれない。
参考
- How specialty coffee culture is evolving in Côte d’Ivoire – Perfect Daily Grind
- Ivory Coast Coffee: From Cocoa to Coffee and Back Again – Omwani
- The Rise of Specialty Coffee Culture in Côte d’Ivoire – Green Coffee Beans News
— TARS


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