タンパのコーヒーシーンに新しい風
アメリカ・フロリダ州のタンパといえば、温暖な気候とビーチのイメージが先行しがちですが、実はここ数年でスペシャルティコーヒーの文化が着実に根付いてきている街でもあります。そんなタンパに、また一つ注目すべき新しいカフェが誕生しました。その名も 「Two Fold Coffee & Kitchen」。
名前の「Two Fold(二重の)」が示す通り、このお店は単純に「コーヒーを飲む場所」にとどまらない、二つの顔を持つオールデイカフェとして話題を集めています。昼間はスペシャルティコーヒーをメインに、夜になると食へのこだわりが前面に出てくるという、一日を通じて異なる表情を見せてくれるのが最大の特徴です。
コーヒー好きとしては「また新しいカフェか」と思いがちですが、Two Foldのコンセプトはそんな一言では片付けられないユニークさを持っています。ちょっと詳しく見ていきましょう。
マルチロースタープログラムという贅沢な選択
Two Foldのコーヒープログラムで特に注目したいのが、マルチロースター制を採用しているという点です。
「マルチロースター」とは、特定の自社ロースターや単一の仕入れ先に縛られず、複数の優れたロースターのコーヒーを取り扱うスタイルのこと。日本でも一部のセレクトショップ系カフェが採用していますが、アメリカのスペシャルティコーヒーシーンでは近年このアプローチが注目を集めています。
このスタイルの最大のメリットは、「今一番おいしいコーヒー」を常に提供できること。季節や産地によってベストなロースターは変わりますし、特定のプロセスや品種に強みを持つロースターも様々です。マルチロースター制にすることで、コーヒーの多様な魅力を幅広くお客さんに届けられるんですよね。
コーヒー好きの方なら、「いつ行っても同じ豆より、訪れるたびに新しい発見がある」というワクワク感、なんとなくわかってもらえるんじゃないでしょうか?
昼と夜で変わる、二つの顔
Two Foldを特別にしているもう一つの要素が、昼と夜でまったく異なるコンセプトに切り替わるオールデイ営業スタイルです。
昼間のコーヒータイム
日中はスペシャルティコーヒーを中心としたカフェとして機能します。複数のロースターから厳選された豆を使ったエスプレッソドリンクやブリュードコーヒーが楽しめ、コーヒーそのものの質と多様性にフォーカスした時間を過ごせます。フードメニューも用意されており、コーヒーに合う食事や軽食を楽しめる設計になっています。
夜のキッチン体験
夜になるとその雰囲気はガラリと変わり、「Kitchen(キッチン)」の名前が示す通り、食体験がより前面に出てくるスタイルへとシフト。厳選されたフードメニューとともに、コーヒー以外のドリンクも楽しめるキュレーションされた夜の空間へと様変わりします。
| 時間帯 | メインコンセプト | フォーカス |
|---|---|---|
| 昼間 | スペシャルティコーヒーカフェ | マルチロースターコーヒープログラム |
| 夜間 | キッチン&ダイニング体験 | キュレーションされたフード&ドリンク |
「Quality(クオリティ)」へのこだわりを二倍に
店名の「Two Fold」には、クオリティへのこだわりを二倍に重ねるという意味合いも込められているように感じます。コーヒーの質だけでなく、フードの質にも同じだけの情熱を注ぐ——そのスタンスは、昨今のスペシャルティコーヒー業界が向かっているトレンドとも一致しています。
かつて「コーヒー専門店は食事がいまいち」「おいしいご飯のお店でコーヒーにはこだわっていない」という二項対立が当たり前だった時代がありました。でも最近は、両方の質を高い水準で両立させることを目指すカフェが増えてきています。Two Foldはまさにそういった次世代のカフェモデルを体現しようとしているお店と言えるでしょう。
タンパというマーケットの可能性
ここで少し視点を広げてみると、タンパというロケーション選びも興味深いポイントです。
アメリカのスペシャルティコーヒーシーンといえば、ニューヨーク、ポートランド、シアトル、サンフランシスコといった都市が真っ先に思い浮かびますよね。でも近年は、そういった「コーヒー先進都市」以外の場所でも、クオリティにこだわった独立系カフェが続々と登場しています。
フロリダ州はその人口増加と観光客の多さから、飲食業界にとって非常にホットなマーケット。特にタンパは、マイアミやオーランドほどの知名度はないものの、地元コミュニティとの結びつきが強く、良質なカフェが根付きやすい土壌を持っているとも言われています。
Two Foldがそんなタンパで成功を収めれば、「コーヒーの名所」として新たな注目を集める可能性も十分ありそうです。
こういうお店、日本にも増えてほしい
今回のTwo Foldのコンセプトを聞いて、「日本にもこういうお店が増えてほしいな」と感じた方も多いのではないでしょうか。
実際、日本でも東京や大阪を中心に、コーヒーとフードの両方に真剣に向き合うカフェは少しずつ増えてきています。でも、マルチロースター制でありながらキッチンにも本気で投資する——という二刀流スタイルはまだまだ珍しい存在です。
- コーヒーの質にこだわりたい
- でも食事もきちんとおいしいものを食べたい
- 昼も夜も、気分に合わせて同じ空間で過ごしたい
そういった「全部叶えたい」欲張りなコーヒーラバーのニーズに応えるTwo Foldのモデルは、今後のカフェ業界の一つの方向性を示しているのかもしれません。
まとめ
フロリダ・タンパに新たにオープンした「Two Fold Coffee & Kitchen」は、マルチロースタースペシャルティコーヒープログラムとキュレーションされたキッチン体験を一つの空間に融合させた、意欲的なオールデイカフェです。
コーヒー単体ではなく、食との組み合わせによって一日を通じた豊かな時間を提供しようというコンセプトは、スペシャルティコーヒーの次なる進化形を感じさせてくれます。タンパを訪れる機会があれば、ぜひ立ち寄ってみたいお店ですね。そして日本のカフェシーンにも、こういったチャレンジが広がっていくことを密かに期待しています。
参考
— TARS


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