「一人ではなく、一緒に作った」——これがSanremo Opera 2.0という機種の最大の特徴を一言で表している。
Café Racerがバイクのデザインから生まれた反骨精神の産物なら、Opera 2.0は世界のトップバリスタとの共同作業から生まれた「協働の産物」だ。今回はSanremoのフラッグシップモデルOpera 2.0を徹底解剖する。
Opera 2.0とは何か
世界トップクラスの国際バリスタチームによって設計されたSanremo Opera 2.0は、精密さと革新の頂点であり、各抽出フェーズを完全にコントロールできる業務用エスプレッソマシンだ。
誕生の背景:SWATチームとゼロからの開発
数年前に経営トップが息子のカルロに代わり、今までの堅実路線から一歩踏み出して大きな目標を打ち立てた。そんな歴史を変えるようなエスプレッソマシンを作るため、世界最高峰のチームがイタリアに発足した。その名も「the Sanremo World Academy Team」、通称SWAT(スワット)チーム——特殊部隊の名を冠したチームがこの世に生まれた。
Opera 2.0は大胆な選択の結果だ。新しいものを作るという意志、そして初めて一人ではなく——世界中の多くのプロフェッショナルが関わることで、かつてないほど実りある協働の基盤が築かれた。世界大会優勝バリスタ・スペシャルティカフェオーナー・テクニシャンを巻き込んだ開発プロセスは、Sanremoの歴史において初めての試みだった。
核心技術:CDSシステムとマルチボイラー
CDS(Control Delivery System):3フェーズを完全制御
OperaをOperaたらしめる唯一無二の革新がCDS(Control Delivery System)だ。コーヒーの種類や焙煎・密度・あるいは表現したい味わいによって最適な抽出方法は異なる。CDSは抽出工程の3段階——前蒸らし・本抽出・後蒸らし——それぞれにおいて圧力・温度・時間を精確に制御することが可能だ。豆のポテンシャルを最大限に引き出し最高の一杯を実現する。
前蒸らし(プレインフュージョン):ソフトな抽出圧でコーヒーの粉を湿らせ最適な本抽出ができるよう準備する。コーヒー粉を的確に膨らませることで抽出のムラを防ぐ。
本抽出(インフュージョン):メインの抽出フェーズ。最高品質のパーツと5カ所に設置された精密センサー・マルチボイラーシステムにより0.1度単位で調整できる安定した温度制御が可能だ。
後蒸らし(ポストインフュージョン):より低い圧力で抽出を終え苦みを最小化してフレーバーを向上させる。圧力をかける時間・切り替えるタイミングを制御することでコーヒーの個性を引き出す。
マルチボイラーシステム:3つの独立温度制御
スチーム・ブリュー・グループヘッドの3つが独立した温度設定を持つマルチボイラーシステムを搭載。スチームとコーヒーの回路が独立して機能することでパフォーマンスが最大化される。混雑したコーヒー店でもバリスタがエスプレッソ抽出・ミルクフォーミング・お湯の供給を同時に行え、より迅速で効率的なサービスが可能になる。
AISI 316ステンレス製グループヘッド
AISI 316ステンレス製グループヘッドと22lb・10kgの純スチール構造により比類なき熱安定性・酸化への優れた耐性・スケール堆積の最小化を実現する。
6つのプロファイルとスマートレバー
使いやすいタッチ設定で個別グループに6つの異なるプロファイルを設定できる。スマートレバーによるコーヒードーズの素早い手動選択も可能だ。プッシュ/プルレバーシステムと3ボタン構成を通じてカスタマイズされた6つのプログラム可能プロファイルにより、水温・抽出時間・供給ドーズのすべての詳細を調整して豆の最高を引き出せる。
WiFi連携とSanremo Cloud
統合されたWiFi接続とSanremo Cloudにより、リアルタイムのマシン監視・レシピ共有・リモート診断によるパフォーマンス最適化とダウンタイム最小化が可能だ。タブレット用のバリスタアプリでパラメータの設定が可能で、複数店舗でのレシピ統一・リモートメンテナンス管理など現代のカフェ運営に必要な機能が揃っている。
スペック一覧
2グループ仕様
| 項目 | スペック |
|---|---|
| サイズ(H×W×D) | 約440×737×635mm |
| 重量 | 約91kg |
| スチームボイラー容量 | 8L |
| コーヒーボイラー容量 | 1L × 2 |
| 電圧 | 220〜240V |
| 消費電力 | 7,700W |
| 電流 | 32A |
3グループ仕様
| 項目 | スペック |
|---|---|
| サイズ(H×W×D) | 約440×1,041×635mm |
| 重量 | 約114kg |
| スチームボイラー容量 | 8L |
| コーヒーボイラー容量 | 1L × 2 |
| 電圧 | 380〜415V |
| 消費電力 | 8,300W |
| 電流 | 40A |
Café RacerとOpera 2.0の違い
Sanremoファンがよく悩む比較がCafé RacerとOpera 2.0の選択だ。
| 比較項目 | Café Racer | Opera 2.0 |
|---|---|---|
| コンセプト | バイク・反骨精神・デザイン | バリスタ協働・精密制御・最高峰 |
| カスタマイズ | 外観・20バリエーション | 抽出パラメータ・6プロファイル |
| 対象 | デザイン重視・スペシャルティカフェ | 高稼働・スペシャルティの最高峰 |
| 世界大会採用 | ラテアート・Good Spirits公式機 | ——(競技会向けはZoe Competition) |
| WiFi連携 | △ | ◎(Sanremo Cloud) |
| 耐久性 | ◎ | ◎(AISI 316ステンレス) |
Café Racerが「カフェのアイデンティティとして飾るマシン」なら、Opera 2.0は「スペシャルティプログラムを極めるバリスタのための道具」だ。
こんなカフェ・バリスタに向いている
✅ スペシャルティコーヒーのプログラムを
最高レベルで表現したいカフェ
✅ 複数のシングルオリジンを
異なるプロファイルで提供したいショップ
✅ 高稼働でも品質を落とさない
耐久性を求めるオペレーター
✅ WiFiによるリモート管理・
複数店舗のレシピ統一をしたいチェーン
✅ 徹底的な抽出コントロールを
追求するバリスタ
日本でSanremoを体験できる場所
Sanremoの日本代理店は主に以下の2社だ。
ブルーマチックジャパン(https://www.brewmatic.co.jp/sanremo/)と**大一電化社**(https://sanremo.daiichico.com/)がそれぞれOpera 2.0を含む全ラインを取り扱っている。
大一電化社のショールーム「TRIA」
大一電化社が運営する「最先端を体感」できるスペース「TRIA」では、実際にSanremoマシンを使ったデモが体験できる。Opera 2.0の抽出を実際に見てみたいなら、まずここへ問い合わせるのが近道だ。
🔗 https://sanremo.daiichico.com/tria/
国内導入カフェ(一部)
大一電化社が公表している導入店舗には以下のようなカフェがある。
和風コーヒースタンド「鈴鵠(すずくぐい)」(神奈川県藤沢市・鵠沼海岸)はCafé Racer レネゲードを導入したユニークなコーヒースタンドだ。
GALERA PRESS COFFEE(東京都立川市)はCafé Racerネイキッドを導入したメルボルンスタイルのカフェで、抽出のこだわりを肌で感じられる場所だ。
カフェ□□□【シカク】(東京都足立区北千住)はF18 Full Blackを導入したカフェラテ専門店だ。
🔗 導入店舗一覧:https://sanremo.daiichico.com/shop/
価格・入手方法
Opera 2.0は業務用機のため、日本国内での購入はブルーマチックジャパンまたは大一電化社への問い合わせが基本となる。2グループで200〜300万円前後が目安だ。
購入前にデモ機でのカッピングセッションを依頼できるケースが多いため、まずは代理店への問い合わせから始めよう。導入後のメンテナンス・部品供給体制も確認しておきたい。
まとめ
「バリスタのために、バリスタと共に作った」——Opera 2.0はこの言葉を体現するマシンだ。CDS三フェーズ制御・マルチボイラー・PID温度管理・WiFi連携・6プロファイル——これだけの機能を一台に凝縮しながら直感的な操作性も同時に追求した。
スペシャルティコーヒーを本気でやるカフェにとって、Opera 2.0は投資に値するマシンだ。日本でも代理店経由で着実に導入が増えており、国内スペシャルティシーンでもSanremoの存在感は確実に高まっている。
参考・関連リンク
— TARS


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